広島市安佐北区に工場を構える有限会社田原家具は、1958年の創業以来、店舗や医療・教育施設、住宅などで使われる別注家具を製作してきた会社です。
スーパーやドラッグストアの店舗什器、病院・薬局の受付カウンター、学校の教卓、住宅の収納家具など、私たちの暮らしに身近な空間を家具づくりで支えています。
職人による丁寧な手仕事と、正確な加工を可能にする最新設備を組み合わせていることも同社の特徴です。本記事では、有限会社田原家具の会社概要や事業内容、家具づくりへのこだわりを紹介するとともに、代表者や現場で働く職人の声を通して、その魅力に迫ります。
ひろしまミライ企業図鑑 支援企業一覧有限会社田原家具について

有限会社田原家具は、店舗設計施工や別注家具製造、内装仕上工事を手がける広島の家具製造会社です。
1958年に広島市大州町で別注家具の製造を始め、1968年に法人化。1980年に現在の広島市安佐北区小河原町へ移転し、1989年に有限会社田原家具へ社名を変更しました。
創業以来、一貫して大切にしてきたのは、家具を使う人の立場に立ったものづくりです。既製品では対応しにくい寸法や形状にも向き合い、設置される場所や用途に合わせて、一つひとつ異なる家具を形にしてきました。
スーパーやドラッグストア、病院、学校、住宅など、同社が手がける家具は広島のさまざまな場所で使われています。普段は製作者の名前を意識することが少ない家具ですが、人々の生活や仕事を身近なところで支えています。
会社概要・アクセス

| 会社名 | 有限会社田原家具 |
| 本社所在地 | 〒739-1754 広島県広島市安佐北区小河原町1522-1 |
| 代表者 | 代表取締役 田原 克洋 |
| 創業 | 1958年2月 |
| 資本金 | 500万円 |
| 営業種目 | 店舗設計施工、別注家具製造、内装仕上工事 |
| 電話番号 | 082-844-0067 |
| 公式サイト | https://tahara-f.co.jp/ |
事業内容について

有限会社田原家具では、広島県内を中心に、店舗や病院、学校、住宅などで使われるオーダーメイド家具を製作しています。
製品の大きさや形、設置場所は案件ごとに異なります。完成した家具を納めるだけでなく、空間の条件や利用する人の動きも考えながら製作を進めていることが特徴です。
大型のカウンターから身近な収納棚まで、幅広い家具に対応しています。
店舗家具の製造

店舗家具では、スーパーやドラッグストアなどの商品陳列に使われる什器をはじめ、商業施設、美容院、飲食店、病院などの受付カウンターや収納家具を製作しています。
大型ショッピングモールなどに設置される大型カウンターのほか、吊戸棚、靴箱、本棚、学校で使われる教卓など、手がける家具は多岐にわたります。
店舗や施設に置かれる家具には、空間の印象をつくるデザイン性に加え、使いやすさや耐久性も求められます。家具を利用する人や施設で働く人の立場を考え、用途に適した寸法や形状になるよう製作しています。
長年にわたってさまざまな施設の家具を手がけてきた経験を生かし、案件ごとに異なる要望へ柔軟に対応しています。
製作実績を見る住宅家具の製造

工務店などから依頼を受け、個人住宅向けのオーダーメイド家具も製作しています。
テレビ台やカウンター、キッチン収納、壁面収納など、住まいの広さや間取り、生活スタイルに合わせた家具に対応。既製品では収まりにくい場所にも、寸法を調整した家具を製作できることがオーダーメイドの魅力です。
住宅家具は、毎日の暮らしの中で長く使われるものです。そのため、見た目だけでなく、物の出し入れのしやすさや、生活動線との相性も考える必要があります。
機械では対応しにくい細かな組み立てや調整は職人が担当し、一つひとつの部材を確かめながら丁寧に仕上げています。
製作実績を見る製造、取り付けまで一貫して対応

田原家具では、図面をもとにした部材の加工から、組み立て、仕上げ、現地での取り付けまで一貫して対応しています。
工場で完成した家具が、そのまま設置場所に収まるとは限りません。壁や床、周囲の設備との位置関係を確認し、必要に応じて現場で細かな調整を行います。
営業と製造、取り付けを担当する社員が情報を共有し、一つの家具が実際に使用できる状態になるまで責任を持って対応。製造と施工の両方を理解しているからこそ、設置場所を意識した家具づくりができます。
家具の加工から組み立て、取り付けまで社内で連携できる体制は、品質を保ち、お客様の要望へ柔軟に応えるうえでの強みとなっています。
製作実績を見る田原家具の家具づくりの特徴

田原家具の家具づくりを支えているのは、長年培ってきた職人の技術と、正確な加工を可能にする木工設備です。
機械によって精度と生産性を高めながら、細かな組み立てや調整、仕上げは人の手で行います。それぞれの長所を組み合わせることで、オーダーメイド家具に求められる品質へつなげています。
最新設備による正確な加工

田原家具の工場には、全自動NCボーリング機やダブルエンドテノーナをはじめ、パネルソー、昇降盤、自動縁貼機など、家具製作を支える木工設備が導入されています。
2015年に導入された全自動NCボーリング機は、家具の部材に複数の穴を正確に開けるための機械です。異なる大きさの穴を一度に加工でき、金物や部材を正しい位置に取り付けるための精度を支えています。
2022年に導入されたダブルエンドテノーナは、材料の両端を高速かつ高精度に加工する設備です。幅や長さを整えるほか、面取りや溝加工などにも対応しています。
こうした設備は作業の効率化に役立つだけでなく、家具の完成度を左右する重要な存在です。ただし、機械を動かせば自動的に製品が完成するわけではありません。図面を読み、加工位置や寸法を確認し、機械へ正確に指示する人の判断が必要です。
職人の手による組み立てと仕上げ

機械で加工された部材は、職人が図面を確認しながら組み立てます。
家具の部材には、わずかなずれや材料ごとの違いが生じることもあります。職人は一つひとつの状態を確認し、必要な調整を加えながら家具を形にしていきます。
金物の取り付けや細部の調整、表面の清掃など、完成前の仕上げも大切な工程です。見た目を美しく整えるだけでなく、扉や引き出しが正しく動くか、部材がしっかり固定されているかなどを確認します。
機械による正確な加工と、人の目や手による細かな確認。両方を組み合わせることで、オーダーメイド家具ならではの細かな要望に応えています。
「創意工夫」と「試行錯誤」を重ねるものづくり

田原家具では、「創意工夫」と「試行錯誤」を基本理念に掲げています。
オーダーメイド家具は、製品ごとに寸法や形、材料、用途が異なります。決められた手順を繰り返すだけではなく、図面や設置場所の条件を確認し、その家具に適した製作方法を考えなければなりません。
難しい加工や組み立てが必要な場合には、社員同士で意見を出し合いながら方法を検討します。実際に作業を進める中で課題が見つかれば、より良い方法を考えて調整を重ねます。
長年の経験を大切にしながら、新しい設備や方法も取り入れ、変化へ柔軟に対応する。こうした姿勢が、田原家具の家具づくりを支えています。
代表インタビュー

ものづくりで大切にしていること
私たちは、単に「家具という物をつくる」のではなく、その家具を使う方の喜びをつくるという意識で、日々ものづくりに取り組んでいます。
価格や機能だけを考えるのであれば、安価な既製品で十分な場合もあります。そのようなときには、私自身も既製品をおすすめします。
それでも、あえて費用をかけて製作家具をご依頼いただく背景には、デザインや使い勝手、限られたスペースの有効活用など、お客様ならではのご要望があるからだと考えています。
そうした一つひとつの思いを実現するために、私たちがこれまで培ってきた経験や技術、ノウハウを生かしていく。そして、完成した家具をお客様に喜んでいただくことが、私たちの仕事であり、ものづくりにおいて最も大切にしていることです。
職人の育成と技術継承について

家具づくりは、好きでなければ長く続けることが難しい仕事だと思っています。
日々の仕事を通して経験を積めば、技術は着実に向上します。しかし、若手社員には、経験を重ねるだけでなく、その先を目指してほしいと考えています。
分からないことがあれば自ら積極的に先輩社員へ質問する。SNSなどで調べた新しい知識や技術を実際の仕事で試してみる。そうした姿勢を持ち、「少しでも早く一人前になりたい」と努力することが、職人としての成長につながります。
若手社員が家具づくりを好きになり、自ら学びたいと思える環境をつくることが、私の役目だと考えています。
また、有給休暇を取得しやすい職場づくりにも取り組んでいます。プライベートを充実させることが仕事への意欲や生産性の向上につながるという考えを、社員にも伝えています。
田原家具が目指すこれからの姿
前職の上司から、「仕事では、数字や実績ではなく、人を追いかけなさい」と教わりました。この言葉は、現在も私が仕事をするうえで大切にしている考え方です。
お客様や協力会社の方々、社員、友人、家族など、信頼できる人たちに対して、「自分もその信頼に応えたい」「相手から認めてもらえる存在になりたい」という気持ちで、誠心誠意向き合うようにしています。
その積み重ねは、すぐに数字や結果として表れないかもしれません。しかし、真摯に向き合い続けることで、必ず次につながる何らかの足がかりが生まれると考えています。
私は、仕事には「運」が影響する場面も多いと思っています。ただ、より多くの方と出会い、自ら学び、成長を続けることで、良い機会に巡り合える可能性を高めることはできます。
目先の数字だけを追い求めるのではなく、信頼できる人のために力を尽くすことが、仕事を長く楽しむための秘訣ではないでしょうか。
田原家具も、売上や会社の規模だけを追い求めるのではなく、地域やお客様、取引先、社員の皆さんと地道に向き合い続け、いつまでも社会から必要とされる会社でありたいと考えています。
田原家具で働く職人にインタビュー

ここで、有限会社田原家具に勤務される社員様にインタビューをさせていただきました。
工場長・藤本さんが感じる仕事の魅力

家具づくりの魅力は、図面では平面だったものが、自分たちの手で少しずつ立体になっていくところです。難しい形状や納まりの家具は、思うように進まないこともありますが、仲間と意見を出し合い、試行錯誤して完成したときには大きな達成感があります。若い世代には、教わった通りに作業するだけでなく、「なぜこの工程が必要なのか」「もっと良い方法はないか」を自分で考えてほしいですね。失敗も経験に変えながら、自分なりの答えを見つけられる職人になってもらいたいです。
若手社員・落合さんが目指す家具職人

前職では、タクシーの運転手をしておりましたが、もともとものづくりに興味があり、自分の手で何かを形にする仕事がしたいと思い、家具づくりを選びました。入社当初は、道具や機械の名前も分からず、図面を正しく読めるか不安でした。それでも先輩方が、作業の手順だけでなく、失敗しやすいポイントや安全に作業するための考え方まで丁寧に教えてくれました。今後は機械加工や組み立ての技術をさらに磨き、図面を見て自分で段取りを考えられるようになりたいです。いつかは難しい家具も安心して任せてもらえる職人を目指しています。
田原家具の採用・職場環境について

田原家具では、家具製造や取り付けを担う職人の採用と育成にも取り組んでいます。
家具づくりには、機械を操作する技術や図面を読み取る力、部材を正確に組み立てる力など、さまざまな知識と経験が必要です。しかし、入社時点ですべての技術を身につけている必要はありません。
先輩社員の指導を受けながら作業を経験し、少しずつ仕事の幅を広げていける環境が整えられています。
有限会社田原家具の採用情報を見る未経験から家具職人を目指せる

田原家具では、家具製造の経験がない人に対しても、仕事を一つずつ丁寧に指導しています。
入社後は、道具や機械の使い方、材料の扱い方、図面の見方など、家具づくりに必要な基礎を学びます。最初から一人ですべてを任されるのではなく、先輩社員の仕事を見たり、サポートを受けたりしながら経験を積んでいきます。
家具づくりは、材料の状態だったものが、自分の手を通して一つの製品になる仕事です。自分が製作に関わった家具が店舗や施設、住宅に設置され、実際に使われている様子を見られることも、この仕事ならではのやりがいです。
経験を重ねるほど、担当できる加工や組み立てが増え、自分なりの工夫も生かせるようになります。
有限会社田原家具の採用情報を見る若者世代が協力する職場

田原家具では、若い社員を含め、30代から60代まで幅広い世代の社員が働いています。
熟練の職人が長年培ってきた知識や技術を若い世代へ伝える一方、若手社員の新しい発想が作業の工夫につながることもあります。世代を越えて意見を交わし、協力しながら家具を完成させる職場です。
一つとして同じ条件のない別注家具では、個人の技術だけでなく、チームワークも欠かせません。分からないことや判断に迷うことがあれば相談し、それぞれの経験を持ち寄って解決方法を考えます。
営業と工場の連携も大切にされており、お客様の要望や現場の条件を共有しながら、会社全体で家具づくりに取り組んでいます。
有限会社田原家具の採用情報を見る田原家具が求める人物像

田原家具が求めているのは、ものづくりに興味を持ち、つくる過程を楽しめる人です。
家具づくりの手順には、必ずしも一つだけの正解があるわけではありません。より良い製品を効率よくつくるためには、自分で考え、工夫を重ねる姿勢が求められます。
自分の個性や得意なことを仕事に生かしたい人にとっても、家具づくりは可能性のある仕事です。一方で、一つの家具には多くの社員が関わるため、周囲の人と協力し、同じ目標に向かって取り組む姿勢も欠かせません。
経験や学歴だけではなく、ものづくりへの興味、考えることを楽しむ気持ち、仲間と協力する姿勢を大切にしています。
有限会社田原家具の採用情報を見るまとめ|技術と人を、広島の未来へつなぐ

今回、ひろしまチョイスでは、広島県安佐北区に本社を構える有限会社田原家具様に取材させていただきました。
同社の強みは、製造から現地での取り付けまで対応できる一貫体制と、職人の手仕事と木工設備を組み合わせた家具づくりにあります。
長年培ってきた技術を守るだけでなく、新しい設備を取り入れ、若い世代へ知識や技術を伝えていることも特徴です。「創意工夫」と「試行錯誤」を重ねながら、時代やお客様の要望の変化に向き合っています。
人の手が生み出す細やかさと、機械が実現する正確さ。その両方を生かしながら、田原家具はこれからも広島の店舗、施設、住まいを家具づくりで支えていくことでしょう。

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